読書:『振り切る勇気』

振り切る勇気 メガネを変えるJINSの挑戦

振り切る勇気 メガネを変えるJINSの挑戦

 移動中の電車内で読了。JINSの社長によるこれまでの経歴の振り返り。群馬県前橋市出身の雑貨屋さんが、旅先の韓国での安価な眼鏡を見つけたきっかけから、眼鏡販売業にいそしむようになる。レンズを韓国から輸入し、10000円を切る眼鏡を福岡の天神で売り始めたのが2000年前後。いまではテレビCMも見かけるし、大型ショッピングモールに行くとかなりの確率でJINSが入っている。新しい事業をはじめるきっかけは、思い切りのよさということか。

 本書では途中でユニクロの柳井さんが2回ほど出てくる。1回目は直接お会いした時、2回目は講演会のとき。いずれもびびっときたらしく、会社として背筋を伸ばされたというのが筆者の感想のようだ。価格競争でのシェア拡大をマルクスの言う特別剰余価値をめぐる資本家間の競争と読めば、成熟産業における低価格市場の創出の具体例としても理解可能である。さて、今後はどうなるのか、非常に気になるが、急成長したユニクロが高い離職率など労働問題に直面したように、この会社も急成長であるがゆえに、雇用における負の側面が前面に出てくる可能性もある。社長以外のジャーナリスト、研究者による本格的な研究を待ちたい。


twitterでは下記のように書きました。

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  電車内でメガネ、ジンズ社長の『振り切る勇気』という新刊を読む。社長が群馬出身だというのは新聞でしっていたので、興味あった。おそらくライターによるインタビューに基づくので、さらっと読める。
 イノベーションをおこす起業家の本としても読めるし、既存業界に参入する際の競争戦略の本としても読める。UNIQLOが成長していったときとにているのは、社長が柳井さんと会っているからかな。生活空間という点では、UNIQLOもジンズも同じ。将来的に共同、コラボレーションとかあるかもね。
 既存業界の破壊の仕方もUNIQLOとにている印象。確かにメガネ業界で、追加料金なしの低価格メガネは衝撃的だった。シエアは拡大したわけだけれど、レンズ下請けとかフレームメーカーとか相当つぶれただろう。産地への影響もはかりしれない。そう考えると、そのやり方の問題点も知りたくなる。 
 あと、気になるのが労働問題。

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