読書

差別論 (明石ライブラリー)

差別論 (明石ライブラリー)

久し振りにゆったりした時間が取れる。図書館にて小1時間読む。うる覚えで書いているので正確な内容紹介にはならないが、最初の「差別」をめぐる主体、関係性の分析は格差論や均等待遇の問題とも関わっている。著者は男女関係を例にとって、男性が女性よりも優遇されているということで「差別」を捉えようとすると、そうした構造を作っている社会の問題が見えてこないとして「関係論」的アプローチを退ける。一方、社会を主軸に考えると、男性が女性より優遇されているのは、男性中心の社会、女性に対して「壁」を作るという構造が浮かび上がる。それを「排除」として捉えるならば、それが差別だと著者は主張するわけである(たぶん)。率直に言ってこの種の議論は、男女間賃金格差の問題や正規雇用非正規雇用の格差の問題にもかなり共通する。印象的にはかなり階級論などと近い。