労働再規制

労働再規制―反転の構図を読みとく (ちくま新書)

労働再規制―反転の構図を読みとく (ちくま新書)

大阪に行く新幹線内で読了。なかなか面白い。政治学の視点からこの間の労働の「規制緩和」と「再規制」の動きを読み解く。ダイナミックな叙述で「事実」にもかかわらずいわば「小説」のように読める。労働者保護を「神話」と言った「労働タスクフォース」の位置づけが明確化されていないが、最後まで飽きずに読める。経済財政諮問会議、規制改革会議などこの間の労働側を抜きにした新自由主義政策の位置づけも理解でき、有意義である。本年中ごろ以降の労働者派遣法「改正」をめぐる動きのフォローは、当然のことながら本書では指摘されていない。読者に与えられた課題であろう。