WLS

著者のWLBものの2冊目。9月終わりに読了したが忙しくてメモをとる時間が十分にとれず。著者自身のWLBの取り組みから始まり、WLBが生産性に与える影響を各企業の事例をもとに分析する。「読み物」として文章がこなれており、またところどころ非正規労働の「均等待遇」など学会上のホットトピックについても触れている。さまざまな読者に有意義な本である。WLBは個人の責任でカバーできる領域とそうでない領域があるがいまだグレーゾーンの領域が多い。ともすれば個人の「働き方」の問題に焦点が萎縮化される危険性があり、企業の「働かせ方」の見直しといかにして整合性を図るかが政策的につめられる必要があるだろう。今後はWLBにおける個人の領域、企業の領域、そして政府の果たす役割を整理、検討することが必要になるだろう。