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人生越境ゲーム―私の履歴書

人生越境ゲーム―私の履歴書

青木昌彦氏の「私の履歴書」が本になった。日本経済新聞で連載されていて興味があったのでちょくちょく読んでいたが、学生運動時代の話など克明に書かれており、どのような経緯で制度学派経済学に移行したのかも分かる。比較制度分析などひとつの時代を作り上げた人だけに、読む価値はありそう。

ところで、青木昌彦氏は1990年代初頭は日本的経営の効率性を合理的に説明するためにJ企業論を展開していた。日本企業の効率性を従業員、企業、株主の双方コントロールトヨタ生産方式などの労働者の参加などに求める議論である。日本的経営の効率性を知的熟練などの議論を用いて説明した議論として当時代表的であったが、いまの日本経済では非正規労働者が増大し、日本的経営の中核であった正規雇用を縮小している。日本的経営がもつ効率性は、現状においてどのように説明されるのであろうか。