米国人による日本人社会科学者分析の本

とても興味深いです。

近代日本の社会科学―丸山眞男と宇野弘蔵の射程

近代日本の社会科学―丸山眞男と宇野弘蔵の射程

NTT出版の紹介
http://www.nttpub.co.jp/vbook/list/detail/4080.html

「発展的疎外」という視点から、日本の近代化を読み解く

日本における「資本主義」と「民主主義」の発展はどのようなものであり、また、どのような意味をもっていたのか。本書は日本の近代化におけるさまざまなジレンマに焦点をあて、その歩んできた道のりを著者独自の言葉で描写する。

伊東光晴先生の書評(『毎日新聞』)。読みたくなります。
http://hondana.mainichi.co.jp/2007/05/post_4d27.html

 日本の社会科学をアメリカ人が論ずる――それには、期待と危惧感とが入り混じる。期待は、日本の社会科学が日本に留まることなく、世界に向うことであり、危惧感は、日本語の難しさだけでなく、日本の社会科学はマルクス主義の影響を受けているところから、マルクス経済学の研究水準の低いアメリカで理解できるか、である。

 だが、カリフォルニア大学で日本研究センター所長も務めた著者は、非常に多くの日本文献を読みこなし、思想としてのマルクス主義をおさえ、私の心配を杞憂(きゆう)に終らせ、日本の社会科学を海外で論ずる最初の本を書いた。むしろ欠点は、あまりにも多くの文献を並列して利用しているため、文献のもつ重みの違いが無視され、それが、読みにくさと、理解しにくさをつくりだしていることである。

☆追記:毎日新聞の書評欄はなかなかいいです。
http://hondana.mainichi.co.jp/shohyo/index.html