寅さんとリリー
今日はHDでとりだめしていた「男はつらいよ」をかなり見ました。リリーが出演している作品を中心にいろいろな作品を見ました。中でも1980年に上映された沖縄を舞台にした作品は秀逸です。病気になったリリーを飛行機嫌いで有名な寅さんが迎えに行くところから話がスタートします。
途中沖縄での生活の中で、ふとリリーが寅さんへ気持ちを吐露するシチュエーションがあります。生活費がなくなったので仕事をはじめようというリリーに対して、寅さんが「そんなのしなくていい。おれが養ってやる」というニュアンスのことを言います。それに対して、リリーは「寅さんは他人でしょ。所帯を持っているのなら別だけど」という気持ちを言うのですが、寅さんは照れもあってはぐらかしてしまうのです。その後は、お決まりのケンカ別れをしてしまう二人なのですが、そのシーンが悲しくもあり、楽しくもあり、思いあっているけれども正直になれない二人の表情をうまく映し出しています。
東京に来てからももう一回再開するリリーと寅さん。寅さんは「所帯をもつか」と、勢いで言いますが、今度はリリーがはぐらかします。そして結局はまた普段どおりの生活に戻ってしまいます。寅さんとリリーは本当に仲がよく、見ていても気分がよくなり一番のお似合いのカップルです。寅さんとリリーの素敵な素敵な物語は最終作でもまた永遠に続くのでした。
寅さんは本当に僕にとって癒しの映画です。きっかけは2005年の夏から放送されたBSの放送。このとき論文を書きながら、毎日寅さんを見るのが夏休みの楽しみでした。『世界』に掲載されていた山田監督のインタビューも素敵でそのときからファンになりました。山田監督の世界観はいまの日本に失われた現状を鋭く指摘していて、とても共感を持てます。寅さんの話になるといやはや感傷的になってしまいますわ。
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