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新自由主義―その歴史的展開と現在

新自由主義―その歴史的展開と現在

明日はサブゼミでハーヴェイ『新自由主義』を検討。調べて見たら、『エコノミスト』、『週刊ダイヤモンド』、『アエラ』、に続き、『週刊東洋経済』でもリビューがあり。いま一番注目の本の一つのようですね。

いくつか論点があるけど、この本では、1.階級権力の奪還、という観点から新自由主義を描く、2.新自由主義の理論と実践を分けて、実践が理論を凌駕する、という視点から歴史的に考察する、3.階級の中身も変化するとして、金融業者やIT産業の盟主などを指摘している点も教条的ではなく、階級の中身を豊富にしている、そして、4.チリやメキシコなど途上国と呼ばれる国々にも「新自由主義」の分析を広げていること、中国を特色ある新自由主義として分析していること、が著者のオリジナルな視点。こういう本はなかなか出るものではなく、翻訳も丁寧。よい議論ができればいいけれど。