ゼミでの輪読本

新学期が始まって1か月。例年通り授業が始まると自転車操業状態ですが、2年生はゼミではまず自由な本を選択してもらって、4回程度輪読をしています。図書館で興味のある本を各自持ち寄ってもらい、その中から2冊本を決定します。最初の2回は『セブンイレブンの正体』を検討することになりました。週刊金曜日が編集した批判的なセブンイレブン分析ですが、セブンイレブンの利益構造(本社が各店舗からピンハネのように価格を徴収する)、店舗の店長の労働実態、24時間体制の下での流通、生産構造などが詳しく分析されています。私がこの本を読むように指示したのではないのですが、割とコンパクトにまとめられていて面白い本でした。現在は、コンビニ経営に限らず、あらゆる業種で川下部門である販売部門が生産・流通に支配権を握っています。いわゆるマーケットインで消費者の視点からいかに効率よく商品の生産・流通・販売ができるかの経営戦略が練られているわけです。流通業者にジャストインタイムを迫るセブンイレブンはこうした現代的なSPA経営の元祖ともいえるしょう。私としては今後、学生が100円ショップや他のコンビニ経営を分析し、国際比較も入れながら、なぜ日本でこうした経営が一面では「支持」されるのか、分析してもらいたいと思っています。

セブン‐イレブンの正体

セブン‐イレブンの正体