2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

米国のトランプ政権、「科学的知見」へ懐疑心

日本政府は憲法学者の大半の意見を無視して、集団的自衛権行使を解釈で可能にした。米国のトランプ政権は「科学的知見」への懐疑心を前面に出し、ワクチン等の廃止も視野に入れる。学問や科学的知見を軽視するという点では、両者は非常によく似ている。学問…

増田寛也編著『東京消滅』中公新書、2015年。

増田寛也編著『東京消滅』中公新書、2015年。高齢化社会の到来に対して介護施設が足りない。それに対し、本書は外国人技能実習生の活用、介護労働者の処遇改善に加え、高齢者の地方移住を説く。高齢者の移住を強制するのであれば、それはうばすて山ではない…

経済理論学会の労働過程論の論文(2017年1月号)

経済理論学会の学会誌(2017年1月号)の労働過程論の論文を読んだ。ブレイヴァマンが強調した統制概念が、それ以前の資本主義の統制とは異なること、テイラー主義によって自律性が奪われたこと、それゆえ、フリードマンらが指摘する「責任ある自律性」戦略と…

カフェ方式での読書会

カフェ方式での読書会。レジュメも作らず議論をする。報告者も設定せず、参加者各自が関心のあることをしゃべる。研究会だと、えらい専門家が高尚な話をするという雰囲気で敷居が高い。市民・学生と研究者が接点を持つ方式としてなかなか優れている。そうい…

海老原嗣生『お祈りメール来た、日本死ね』文藝春秋、2016年。

海老原嗣生『お祈りメール来た、日本死ね』文藝春秋、2016年。日本型雇用と欧米型雇用の違いを多様な角度から分析。フランスが、教育体系に基盤を持つ事実上の階層社会であることを踏まえて、日本にあった現実的な改善点を提言。欧州の長期実務型インターン…

NHKスペシャル「それでも、生きようとした 原発事故から5年・福島からの報告」(2017年1月9日放送)

NHKスペシャルの原発被災者問題。福島では5年たったいま、自殺率が急上昇している。識者によれば、津波で家がさらわれていない。家は残っているけれど、生活ができない。そういった方々の孤立感が強まっているという。家がないという「明確な不安」ではなく…

原稿形式のチェック

原稿の形式を中心に丁寧にチェックをしていただく。しかも迅速。こういった仕事はありがたい。同時に、原稿を見ていただくという作業を通じて、一緒に仕事をしているという感じも増える。原稿を書き、書式を整え、入稿するという一連の過程は、孤独感もある…

若手研究者の力作2冊

同世代の若手研究者の力作2冊を読む。いずれも、標準的なライフコースとは異なる経路をたどる若年労働者の主体性を主要なテーマとしているが、対象とする労働者層が男性と女性でかなり異なる。地域で主体となりうる若年層は案外、ネットワークのあるヤンキー…

ゼミで目指すべきこと

ゼミで目指すべきは批判的に思考すること。ただし、「批判的に物事を検討する」というのは、両義的。あらゆるものを疑う的な思考をもつと、トンでもな議論が出てくることがある。本当は新自由主義的価値観、主流派の価値観を批判的に検討するが正解なのだけ…

生産工程のトレーサビリティ

業界新聞の年末年始の報道を見ていると、繊維業界はいよいよ生産工程のトレーサビリティに着手せざるを得ない状況にきているようだ。海外生産であろうと国内生産であろうと、どのような素材をどのような労働力を使って生産しているのか、そのあたりが問われ…